NEWS LIVE TOUR 2012 〜美しい恋にするよ〜」

わたしは2005年から嵐のファンをやっている。
元来飽き性で、日記をかけば三日坊主、続いても文章が日に日に固定文になっていくくらいには物事が続いたことが無い。
アニメももともと好きだったけれど、熱は長くても一二年、それもゆったりとしたもので、大ファンというものではない。
そんなわたしが2005年から絶えず応援しているのが、嵐だった。
その頃まだ中学生~のわたしは中学校の先輩と一緒に手作りのうちわを作って、アジアツアーから戻ってきた嵐のコンサートに始めて参加をした。
一番初めに好きになったグループ、その中でも好きな人は2005年からぶれることはなく、今まで生きてきた。
ちなみにどうしようもないほど熱しやすく冷めやすい中止めなかったのは本を読むこと、小説を書くこと、そして嵐を見ることだった。
日に日に愛情や熱量の表現の仕方に変化は生まれていったけれど未だにわたしは嵐が好きだ。
イコール、他のジャニーズに対して、あまり詳しくない。

そんなある日、NEWSに興味を持った。
改めて始まったトーキョーライブのトップバッターを務めた小山慶一郎さんが余りにも素晴らしかったのだ。
安定感、切り替えの早さ、空気を読む力、凄いなぁということをぼんやりツイッターで呟いたところ、親切な方がわたしにNEWSの音楽やお勧めの番組もろもろを教えてくださり、空いた時間にはちょこちょこチェックするようにしていた。
NEWSの楽曲をある程度網羅し、加藤シゲアキさんのピンクとグレーを読んでみたり、走魂や(基本的には四人になってからの)音楽番組、バラエティ番組なんかもチェックした。
そして今日、やっと、勇気を出してコンサートのDVDに手を出した。

「NEWS LIVE TOUR 2012 〜美しい恋にするよ〜」、冒頭、客席を見つめる四人と、他のグループのDVD(といっても他グループは二三しかDVDを見たことが無い)ではそんなに必要性の感じない客席のショットがあった。
けれど、このときファンの人たちを映すのが、それをDVDに入れるのが、正しいことに思えた。
ひたむきに待っていた大好きな四人を見つめるNEWSファンの人たちを見ていたらぼろぼろと涙が溢れた。
まだメンバーの彼は人見知りで、彼はこんなところがあって意外なんですと言われてもピンとこない程度の知識だというのに。
「当日になったら客席に誰もいないんじゃないかと不安だった」と他のジャニーズが零すたび、ピンときていなかったけれど、客席を見つめるNEWSの目を見ていると、先述の言葉の意味がちょっとだけ分かったような気がした。
始まってからの一つ一つの曲が、まるでファンにNEWSが語りかけているようだなぁと思った。
わたしはきっかけとなった小山さんが未だに一番好きだと思うのだけれど、今回は加藤さんのことを良く見た。
小山さんの話を聞いてもらい泣きをするなど割とアツい人だということは分かっていたけれど、コンサートで歌って踊る加藤さんは、雑誌やテレビで見るものよりも圧倒的にアイドルだった。
こんなに楽しそうに、嬉しそうに、全力で、コンサートで笑顔を浮かべる人だったのか、と。

わたしは目に見えるアイドルが好きだ。
客席に向かって「みんなの笑顔が可愛い」といってみたり、CDショップでのドッキリで「でもファンの子達かわいかったね」「うん」とさらりと交わされる会話、そして彼女・浮気発言諸々、そういう夢をわたしは見たい。
ただテレビやコンサートといった与えられた場所に向かってそこでだけ見つめていると、そのグループのファンとグループの甘くてあたたかい関係性が目に見えるようで、とても驚いた。
すぐに安直に、NEWSのファンの人は本当に幸せそうだ、と思ってしまったけれど、最後の四人の言葉で理解した。
どうしてこんなにNEWSが、五感で理解できる愛情表現をファンに行うのか。
正直、メンバーがいなくなる、とか、NEWSに起こった事柄にぴんとくるかと言われたら来ない。
それでも、冒頭のチャンカパーナで客席を見つめる四人の表情だけでも、この場所に立つことがどれほど大変だったのか、考えてしまう。
まだ一回しか見ていないわたしの頭の中でガツンと残ったのは小山さんがNEWSを残すか否かを沢山の人に相談したという話のなかで、残さないという意見を言われた、というものだった。
そりゃあビジネスで、大人に相談をすればそんな意見だって出るだろう。
なのにわたしの頭の中では「そんな酷いことってあるのか」という感情だけが優先された。
視聴して少し経った今でも感情論だけがぐるぐると頭を回る。
それでも残した四人の場所と、四人が戻ってくることを待っていたファンの人たちの涙を流す姿を見て、わたしは泣いた。
四人は内側を向き、フルスイングのイントロが流れ、また泣いた。

あのコンサートのDVDはNEWSが行ったコンサートの映像なのだけれど、ファンとNEWSが思いあっている姿をまざまざと残した映像でもあるような気がした。
NEWSが言う真っ直ぐなファンへの言葉は、今まで一緒に歩んできたファンが安心して愛していけるもので、だからこそ、NEWSのファンの人たちは新しいファンの人たちにも友好的なのだろうか、なんてちょっと思った。
新規、古参なんて言葉が飛び交うジャニーズ界隈の中で、新しいファンを友好的に迎えて、こんなに素敵な人たちがいるんだよ、とそっと教えてくれるようなNEWSファンの人たちの空気を感じる。
綺麗なことも汚いことも沢山あるけれど、NEWSとNEWSを応援している人たちがわたしはこのコンサートのDVDを見てすっかり好きになった。